抹茶の製法作り方｜抹茶の効果効能

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煎茶・玉露・抹茶など様々な種類の緑茶が日本各地で製造されておりますが、みな同じ製法で作られているわけではありません。

 

例えば、煎茶と玉露の場合、露地栽培か覆下栽培という栽培方法の違いはあれど、茶摘み後の製造工程は全く同じであり、反対に、同じ覆下栽培で育った玉露と抹茶では、茶摘み後の製造工程は大きく異なります。

 

そこで、今回は抹茶の製造工程、茶摘みされてから抹茶になるまでの工程について詳しくご説明したいと思います。

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では、さっそく抹茶の製造方法の主な流れについて簡単にご説明します。

 

抹茶を製造する際の簡単な流れ

・摘採
・送風と加湿
・蒸熱 (じょうねつ)
・撹拌と冷却
・荒乾燥と本乾燥
・つる切り
・再乾燥
・梱包

 

※抹茶の原材料となる碾茶の製造工程になります。

 

では、それぞれの工程をより詳しく解説してゆきたいと思います。

 

�@摘採
抹茶は摘採時期の20日以上前からチャノキが光合成を行えないように寒冷紗などを用いて茶園全体を覆い隠してしまいます。

 

そして、茶摘みのシーズンを迎えたチャノキの新芽を「摘み娘さん」と呼ばれる女性の方々に折摘みと呼ばれる方法で丁寧に摘んでもらったり、ハサミを用いて摘み取ってもらいます。

 

 

�A送風と加湿
摘採された生葉は自然と発酵を始め、品質および鮮度の低下を引き起こします。

 

そのため、摘み取ったらすぐに生葉の品質および鮮度の低下を防ぐため、湿度の高い空気を送り、水分保持と呼吸熱の低下を図ります。

 

 

�B蒸熱
生葉の酸化酵素の活性を止めたら、鮮やかなグリーンの色調と覆い香をより引き立たせるために連続式に流れる網胴回転撹拌型蒸機に入れ、20秒ほど蒸します。

 

抹茶の挽き色を濃くしたい場合は、蒸し時間を長くするそうです。

 

 

�C撹拌と冷却
蒸熱を終えた生葉たちは、高温のまま放置してしまうと色彩や香味が悪くなるため、すぐに風力を利用してネットで覆った冷却用の散茶機で拭き上げながら、蒸した生葉たちが重ならないように拡散させながら冷却を行います。

 

碾茶の場合、冷却後生葉を散茶機へ入れるのですが、煎茶や玉露の場合は粗揉機・中揉機・精揉機へと入れられます。

 

 

�D荒乾燥と本乾燥
170℃〜200℃の熱風で30分ほど生葉を乾燥させます。
乾燥させる機械は、長さ10mほどあり、下の部分はレンガ造りの火爐となっています。

 

この乾燥機に入れられた生葉たちは、3層から5層のキャタピラの最下層で急速に乾燥されたあと、最上層へと吹き上げられ、順次下へと搬送されながら、緩慢乾燥されます。

 

この工程を行うことで、過度な加熱香気が生成され、抹茶の香味がバランス良くなるのです。

 

 

�Eつる切り
荒乾燥と本乾燥を終えた茶葉たちは、葉の部分はほぼ乾燥しているのですが、茎の部分は乾燥しにくいため、水分が残っています。

 

そこで、つる切りで木茎分離を行い、葉と茎 (葉脈を含む)を分ける必要があります。

 

 

�F再乾燥
つる切り完了後、水分を豊富に含んでいる茎や葉脈を乾燥させるため、再乾燥させるのですが、その際、葉と葉脈を風力で分離させてしまいます。

 

摘み取られた茶葉たちは、大正時代を迎えるまでのおよそ700年間、手揉み製茶に用いる焙炉 (ほいろ)を使って碾茶を作っていたのですが、大正8年以降は竹田式・三河式・堀井式・築山式といった様々な碾茶機械が開発され、今では最も高品質な碾茶を作ることができる堀井式碾茶機械が普及し、2016年現在、日本にある碾茶機械は全て堀井式となっています。

先程ご紹介した工程は、全て抹茶の原材料となる碾茶の製造工程になります。

 

碾茶となった生葉たちは、抹茶の新茶シーズンまで大切に保管され、11月を迎えると抹茶として出荷される直前に碾臼でパウダー状にしてから販売を開始します。

 

では、碾茶から抹茶になるまでの工程をご説明します。

 

碾茶から抹茶になるまでの工程

・切断
・風力選別

 

※このとき硬いと判断された碾茶は「切断⇒風力選別⇒切断⇒�Aに戻る」工程となります。

 

・廻しふるい (葉揃え)

 

※このとき揃いが悪いと「切断⇒�Aへ戻る」工程へ移動します。

 

・乾燥
・電棒

 

※葉脈と分けられます

 

・碾茶仕上げ茶

 

 

碾茶も煎茶や玉露と同じように、茶葉の選別や整形を行う「仕立て」という工程を終えた後に碾臼 (石臼)でパウダー状に加工してゆきます。

 

碾臼で粉砕する前の碾茶は、等質でややサイズの大きい青のりのような容姿をしています。

 

碾茶の仕立て工程は、煎茶や玉露と同じ機械を使って行わており、行程も全く同じです。

 

 

石臼挽き

・仕立て工程を終えた碾茶をA・B・Cと等質分けする。
・合組 (好みの味に整える)
・再乾燥 (仕上げ工程を終えた碾茶が吸湿してしまった場合に行います)
・石臼・粉砕機にて粉末状に加工
・ふるい掛け (ゲバなどを取り除く)
・抹茶の完成

 

抹茶の場合、水分を豊富に含む茎や葉脈をキレイに取り除いた仕上げ茶 (碾茶)の状態で保存した方が保存性に長けているとされています。

 

そのため、仕立て工程を終えた碾茶は、抹茶として出荷されるまでのあいだ、碾茶の品質保持のため−5℃の保存室で大切に保管されます。

 

抹茶の新茶シーズンが近付くと、室温20℃・湿度35％以下に保たれたクリーンルームにて、石臼・粉砕機によって粉末状に加工されるのですが、石臼と粉砕機では、以下のような違いがあります。

 

・石臼

 

石臼挽きは、古来より続く抹茶製造技術のひとつです。
石臼で挽かれた碾茶は5μから9μの超微分末の抹茶となり、鮮麗なグリーンの水色となめらかで深い味わいを愉しむことができます。

 

しかし、石臼挽きの年間抹茶生産量は100kgほどと非常に少なく、茶臼1台で1時間に挽ける抹茶は平均40g、1日に10時間稼働すると仮定すると、1日の抹茶生産量は400gほど、年間 (300日)にすると120kg前後と非常に少ないため、年々抹茶消費量が増加している現在では、実用的な方法とは言えません。

 

・粉砕機

 

石臼挽きの場合、1時間に40gほどしか抹茶を製造することができないため、抹茶の名産地として有名な宇治では、能率が良くコストも安く、高品質な抹茶を挽くことができる粉砕機を探し求めてきました。

 

そのため、宇治は「粉砕機の墓場」という異名を持っています。

 

様々な粉砕機を試したところ、「ボールミル」が最も能率的かつ低コストな機械であったため、日本各地の碾茶荒茶精製工場で導入されています。

 

ボールミルとは、機械にセラミックなどの硬質ボールと仕立て済みの碾茶を入れて粉砕してゆく製法のことで、石臼挽きと比べ、1度に大量の抹茶を製造することができ、さらにコスト面においても低価格で抹茶を茂ることができるというメリットがあります。

 

ですが、製法上、どうしても石臼挽きのような丸みを帯びた抹茶を作ることができないため、水色・香り・味わいなどが劣ってしまいます。

 

現在流通している抹茶4,000トンのうち、石臼挽きの抹茶が750トン、粉砕機で挽かれた抹茶が3,250トンとなっており、高品質な抹茶は全体の20％ほどしか存在しません。

高級緑茶の1つである「抹茶」は、頻繁に購入することができませんよね。

 

ですが、お茶を飲んでいるとき、ふと「自宅にある緑茶を使えば“抹茶”を作ることができるのでは？」と思い立った方もいらっしゃると思います。

 

最近では、いろいろな茶葉を挽いて抹茶のように愉しむことができる「お茶メーカー」という機会も誕生し、健康を気遣う団塊世代からシニア世代のあいだで注目を集めており、父の日や敬老の日のプレゼントとして購入される方も大勢います。

 

抹茶も煎茶も玉露も、みな同じチャノキから作られているため、どのお茶もパウダー状に加工したら同じだろうと思われがちですが、実は全く異なります。
抹茶とは、覆下栽培によって生育した新芽を蒸した後、揉まずに乾燥させ、葉と茎、葉脈と葉肉を仕分けし、葉肉だけを選別した碾茶と呼ばれる青のりのようなかたちをした茶葉を原材料としています。

 

抹茶の定義は、“覆下栽培であること”と“揉まずに製造すること”になりますので、同じ覆下栽培で生産されている玉露やかぶせ茶であっても抹茶にはなりません。

 

「この際、抹茶じゃなくてもパウダー状の緑茶が飲みたい！」という方は、有機栽培や特別栽培で育った茶葉を必ず購入するように心掛けてください。
お茶の葉は、野菜や果物のように洗うことが出来ません。

 

そのため、茶葉を丸ごと摂取することになる抹茶や粉末緑茶、食べられる茶葉などは厳しい審査を通過した茶畑のみ出荷を認められているため、購入した茶葉を自宅でパウダー状にする場合は、信頼できる茶舗で購入した茶葉を用いて粉砕するようにしましょう。

 

 

今回は抹茶の製造工程、茶摘みされてから抹茶になるまでの工程、また自宅で手作りすることは可能なのかについてご説明させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。

 

抹茶は煎茶や玉露などの緑茶と同じチャノキから摘み取られた生葉を原材料としておりますが、栽培方法や製造方法によって、同じ覆下栽培で育った玉露やかぶせ茶とは全く違うジャンルのお茶となります。

 

また、抹茶には石臼と粉砕機2つの方法で作られており、各々メリット・デメリットがありますので、抹茶に興味を持たれた方は、石臼と粉砕機それぞれで挽かれた抹茶を嗜み、その違いを肌で感じてみてはいかがでしょうか。

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