ウバとは|紅茶の種類や特徴

ウバとは|紅茶の種類や特徴

ウバとは|紅茶の種類や特徴

インドのダージリン、中国のキームン、そしてスリランカのウバは、世界三大銘茶として紅茶愛好家たちのあいだではたいへん有名ですが、あまり紅茶に詳しくない方の場合、『ダージリンやキームンは飲んだことはあるけど、ウバは飲んだことが無い』という方が多く、どのような種類の紅茶なのかをご存知無い方も大勢おられます。

 

 

ウバ紅茶は、「飲みやすい紅茶は紅茶では無い」「芳醇な香りとしっかりとした味と渋味が無ければ紅茶とは呼べない」など、オトナの紅茶をこよなく愛する方々から絶大な人気を誇るお茶ですので、紅茶が苦手な方やクセのない飲みやすい紅茶が好みの方にとっては、飲みにくい紅茶と言えるでしょう。

 

 

今回は、ちょっぴりクセのある世界三大銘茶「ウバ」の産地や特徴、適した入れ方などについてご紹介しましょう。

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世界三大銘茶にも数えられるウバとは?

ウバとは、世界紅茶生産量第3位のスリランカで生産されている紅茶の種類であり、主にスリランカ中央部から南部へと広がる山岳地帯の東側斜面、バデュウラ行政区に属する地域を産地としています。

 

ウバ紅茶を生産している茶園や製茶工場は、海抜1000mから1600mの範囲内に点在しており、高く険しい峰や谷を含む広大な地域から連なるハプレタやバンダラウェア、マルワッタバレー、ウエリマダなどの地域もウバの産地となっています。

 

ウバ紅茶の名前の由来となっている「ウバ」とは、この険しい山や谷に激しく吹く風の音から名付けられたと言われています。

 

 

ウバ紅茶の産地であるウバ地区には、歴史を感じさせる古い仏教寺院などがたくさん残っており、小乗仏教を信仰する多数民族のシリハン人の巡礼地となっています。

ウバ紅茶の歴史

スリランカ中央高地の海抜1000mから1600mの東側斜面で生産されているウバ紅茶ですが、この地が紅茶の産地となったのは1890年頃だと言われていますが、その前にこの地区の歴史について少しご紹介したいと思います。

 

1815年、イギリスの植民政府はセイロン島最後のシンハラ王国であるキャンディ王国の内乱に乗じて、見事王国を滅ぼすことに成功したのですが、1818年にウバ地区に残る抵抗勢力との間で戦闘が起こり、イギリスは見事この地を征服することが出来たのです。

 

その後、ウバ地区にはコーヒー農園が拓かれたのですが、時代の流れと共に茶園へと変化してゆきました。

 

 

そして、1890年、『世界の紅茶王』と称されるトーマス・リプトン氏がこの地を訪れた際、彼はウバの茶園を買収すると同時に未開拓の地を茶園にし、紅茶の製造に必要な機械や装置を整えた製茶工場を建て、ウバ地区を紅茶の産地へと変化させていったのです。

 

現在ウバ地区では、およそ52,000ヘクタールの広大な土地で1年を通して紅茶の生産が行われており、「ウバ・フレーバー」と呼ばれるウバ紅茶独特の強い香りと芳醇で刺激的な味の紅茶が楽しめると、世界中の紅茶愛好家たちから高い評価を得ています。

ウバ紅茶の香りや味の特徴

スリランカのウバ地区で生産されているウバ紅茶は、1年を通して紅茶の生産を行うことができることで有名ですが、特に7月から9月に南西からやってくるモンスーンによって南西にあるディンブラ地区には大量の雨が降るのですが、東側にあるウバ地区には乾燥した風が吹くため、他の紅茶産地には無い独特な香りを持ったクリティシーズンティーが誕生します。

 

また、この地区は4月から6月と10月から11月の1年に2回、多雨期がやってくるのですが、この影響で茶葉の育成が盛んになり、たくさんの茶葉を摘み取ることができると言われています。

 

ウバ紅茶は、バラやスズランの花香のような甘く刺激的な香りとひとくち含んだときに感じる爽やかで鋭い強めの渋味とコク、鮮やかな真紅の水色が特徴的な紅茶ですので、ストレートティーとして頂くよりも、ミルクティーとして頂くのがオススメです。

 

 

ただ、グレードの高いウバ紅茶の場合は、ウバ・フレーバーを楽しむことができるストレートティーで頂いた方が、ウバ紅茶の魅力を最大限引き出すことができますので、ウバ紅茶のグレードによって入れ方を変えるのがポイントです。

 

 

 

今回は世界三大銘茶のひとつスリランカのウバ紅茶についてご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。

 

ウバ紅茶の主な製造方法は、ローターベイン切揉機を用いたセミ・オーソドックス製法で製造されているため、細やかな茶葉が多いのですが、伝統的なオーソドックス製法を用いて製造された茶葉の大きなOPタイプも販売されておりますので、あなたのお好みの種類のウバ紅茶の茶葉を購入して、優雅なティータイムを過ごしてみてはいかがでしょうか。

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