アッサムとは|紅茶の種類産地、特徴

アッサムとは|紅茶の種類産地、特徴

アッサムとは|紅茶の種類産地、特徴

紅茶本来の香りや味わい、水色を存分に楽しむことができるストレートティーも魅力的ですが、たまには濃厚な味わいが楽しめるミルクティーが飲みたいなと思ったりすることはありませんか。

 

ですが、ダージリンのような芳醇な香りを持つ紅茶にミルクを入れてしまうと、せっかくの香りが台無しになってしまうため、入れたくても入れられないという方も大勢いらっしゃると思います。

 

そこで、今回はミルクティーと相性抜群なインド三大紅茶のひとつ「アッサム」についてご紹介します。

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アッサムとは

アッサムとは、北はブータンとチベット、東はミャンマー、南はバングラディッシュとそれぞれの方角が他の国と隣接しているインド北東部にある地方の名称です。

 

アッサム地方といえば、インド国内で生産されている紅茶のおよそ1/2を占める世界最大の紅茶の産地として有名な土地であり、その起源は1823年にまで遡ります。

 

1823年、交易を拡大するためにインドを訪れていたロバート・ブルース少佐が、偶然この地に自生していたチャノキを発見しました。

 

このチャノキは、アッサム地方の奥地にある現ジプサガールに住むミャンマーの山岳民族ジュンポー族が食用としていた植物であり、大きな葉と人の背丈以上もあるとても高い樹でした。

 

当時イギリスでは他国に頼らず全て自分の手で紅茶を栽培したいという強い思いがあり、中国から何度かチャノキの苗を取り寄せていたのですが、なかなか思うような成果が得られず、悪戦苦闘していました。

 

 

そんなとき発見されたこのチャノキをロバート・ブルースが亡くなった後にもらい受けた弟のチャールズ・アレキサンダー・ブルース(C.A.ブルース)氏は、チャノキの1種であるとしてイギリス本局に申請を出したのですが、このときイギリス政府では中国種以外のチャノキは存在しないと信じていたため、なかなか認めてもらえませんでした。

 

それでもC.A.ブルース氏は諦めることなく、粘り強く申請し、1835年にようやく英国王立学会から中国種とは異なる変種・アッサム種として認められ、なんと紅茶生産の責任者に任命されたのです。

 

 

その後、彼は中国から茶師を招いて、チャノキの栽培から製造を行い、試行錯誤の末、1838年遂に夢にまで見た英国紅茶を完成させたのです。

 

1839年1月、C.A.ブルース氏が作った世界初の英国紅茶はロンドンのオークションに掛けられ、なんと8箱が最高値を付け、イギリス国内を震撼させたのです。

 

そして、イギリス政府はインドのアッサム地方の開拓を積極的に行うようになり、世界で初めての英国紅茶の産地となりました。現在では、全長2,900kmの巨大な河川・ブラマプトラ川の近くにおよそ800もの茶園が存在しており、世界最大の紅茶の産地として知られています。

アッサムの種類と特徴

インド北東部にあるアッサム地方を産地とする紅茶「アッサム」には、ダージリンと同じく、

 

・ファーストフラッシュ
・セカンドフラッシュ
・モンスーンフラッシュ
・オータムナル

 

といった、茶葉が収穫された季節ごとに分けられているのですが、この地方で収穫された紅茶葉の90%以上がCTC製法を用いて製造されているため、

 

・アッサムOP
・アッサムBOP
・アッサムCTC

 

などの名称で呼ばれています。

 

 

なぜ伝統的なオーソドックス製法ではなく、CTC製法でアッサムが製造されているのかと言いますと、インドではシナモンやカルダモンなどのスパイスとミルクを使って入れる「チャイ」という紅茶を飲む習慣があり、CTC製法で製造されたアッサムは、抽出が早く、香りや味わいはオーソドックスで個性も無く、紅茶らしい渋味と落ち着いた香りが楽しめるため、非常にチャイを入れるのに適しているのだそうです。

 

特にティーバッグ用として用いられている「アッサムCTC」は、強い渋味は無いものの、充実したコクとボディ感のある濃厚な味わいを持っているため、ミルクとの相性が抜群とたいへん好評です。

 

 

今回はインド三大紅茶のひとつ「アッサム」についてご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。

 

アッサム種のチャノキから摘み取られて作られる紅茶「アッサム」は、別名「熱帯茶」とも呼ばれており、高温多湿の土地でよく育ち、厚みがあり柔らかな葉肉にはタンニンが豊富に含まれているため、ティーバッグでもリーフティーでもおいしく頂くことができます。

 

深みのある紅褐色の水色と豊かで奥深い香り、コクのある力強い味わいは、ストレートティーで頂くよりもミルクティーやインドの煮出し式ミルクティー「チャイ」などで召し上がると、さらに美味しくなりますので、この機会にアッサムとダージリンを飲み比べて、その違いを五感で感じとってみてはいかがでしょうか。

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