ニルギリとは|紅茶の種類産地、特徴

ニルギリとは|紅茶の種類産地、特徴

ニルギリとは|紅茶の種類産地、特徴

ダージリンやアッサムと並び、インドを代表する紅茶として知られる「ニルギリ」は、南インドにあるターミナルナドゥ州のケーララ付近の丘陵地で栽培されているチャノキの葉から作られています。

 

同じインド国内で製造されているダージリンやアッサムは強烈な個性を持つ紅茶として有名ですが、ニルギリは主だった個性の無い紅茶のため、初めてインド紅茶を嗜むという方や飲みやすい紅茶を探しているという方によくオススメされている紅茶葉となっています。

 

 

「個性が無い紅茶は紅茶じゃない!」と思われた方も多いかもしれませんが、ニルギリの魅力は、この個性の無さにあることをご存知ですか。

 

今回は、インド紅茶で最も飲みやすいニルギリとはどのような紅茶なのか、その産地や歴史、特徴などをご紹介します。

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ニルギリとは

インド三大紅茶のひとつに数えられているニルギリとは、1823年にロバート・ブルース少佐がインド北東部にあるアッサム地方で発見した中国種とは異なる品種のチャノキ「アッサム種」を発見したことで誕生した紅茶です。

 

 

当時イギリスでは、全て自分の手で紅茶を栽培したいという動きがあり、中国から何度かチャノキの苗を取り寄せて栽培していたのですが、なかなか思うような成果が得られず、悪戦苦闘していました。

 

南インドにあるターミナルナドゥ州のニルギリ高原にも中国から取り寄せたチャノキの苗を2万本植えたのですが、生き残った苗木はたったの数十本ほどであり、計画は失敗に終わりました。

 

しかし、1835年に英国王立学会からロバート・ブルース少佐が発見したチャノキが中国種とは異なる変種・アッサム種として認められ、ニルギリ地方にアッサム種が植えられたのです。

 

植えられたアッサム種は、ニルギリ地方の気候や風土に適した品種であったため、1853年にはニルギリ高原初の茶園が誕生し、時代の流れと共にチャノキの栽培技術も高まってゆき、かつて栽培に失敗した中国種のチャノキの栽培も行えるようになり、1890年代には中国種の雑種が増え、ニルギリ地方には続々と巨大な茶園が作られてゆきました。

 

 

今ではアッサムに次ぐ紅茶の一大生産地として世界にその名を轟かせています。

ニルギリの種類と特徴

南インドの西ガーツ山脈南部にあるニルギリ丘陵を産地とする「ニルギリ」は、現地の言葉で「青い山」を意味する言葉であるため、別名『紅茶のブルーマウンテン』と呼ばれています。

 

ニルギリはインド半島の南東にあるセイロン島で生産されている紅茶にとてもよく似たエレガントで繊細な香りが特徴となっています。

 

ニルギリの産地は標高1200mから1800mの高原であり、日中は強い日差しが茶畑に降り注ぐためシェイド・ツリーの姿を見ることができます。

 

 

年間の降水量はおよそ1920mmであり、夏期の最高気温は25℃、最低気温は10℃、冬期の最高気温は20℃、最低気温は0℃と1年を通して快適な気温のため、1年を通してチャノキを栽培することが可能な地域となっています。

 

もちろん、1年を通してチャノキが栽培可能なニルギリにも、ダージリンやアッサムと同じく茶葉のシーズンは存在します。
ニルギリが最も多く収穫できるシーズンは、4月から5月、9月から12月の年に2回であり、この期間にニルギリ茶葉の60%以上を生産しています。

 

また、年に2回南西・北東モンスーンがやってくるため、西斜面で栽培されているチャノキは1月から2月、東斜面で栽培されているチャノキは8月から9月がクオリティーシーズンと呼ばれていますが、なかでも12月から1月にかけて収穫される「ウィンターティー」は、至極の逸品とされています。

 

ニルギリは、ダージリンやアッサムなどのインド紅茶と比べると、クセが少なく、大人しい印象の紅茶なので、「香りこそが紅茶の魅力である」という方には、あまりオススメできませんが、紅茶初心者の方やブレンドティーを嗜む方にはオススメの茶葉と言えるでしょう。

 

明るめの濃いオレンジ色の水色と優雅で穏やかな香り、スッキリとしたクセの無い柔らかな渋味が特徴的なニルギリ紅茶は、ストレートティーだけではなく、ミルクやレモンを加えたり、ハーブやフレッシュなフルーツとブレンドを楽しんだりと幅広いアレンジが楽しめる紅茶ですので、紅茶をこれから始めるという方は、ダージリンやアッサムではなく、このニルギリから入るのがオススメです。

 

 

『紅茶のブルーマウンテン』と称されるニルギリは、インド紅茶のなかで最も親しみやすい紅茶ですので、紅茶の渋味が苦手な方や紅茶のアレンジを楽しみたい方は、是非この機会にニルギリ紅茶を入れてみてはいかがでしょうか。

 

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